最近思うこと
通勤電車

最近通学などで電車に乗っていると、何だか電車が別のものに感じてくる。それはなにかというと「ハコ」だ。自分がハコに詰められて輸送されているような感覚になる。マッチの入ったマッチ箱を一列に連ねて、「通勤電車」というタイトルを付けたくなるくらい、そう感じる。まぁ構造からいって電車はハコのようなものだ。しかし新幹線や在来線の特急といった電車では、あまりそういう気にはならない。この二つはいったいどこが違うのだろう?

明確な違いと言えば、やはり「イス」だ。JRなどの特急では主にクロスシートが採用されていて、205系(山手線)や103系(大阪環状線)、私鉄なら東急や阪急(京都線の特急は別)といった通勤型電車にはロングシートが採用されている。ぼくはたまにJRの113系(東海道線ほか)などといったセミクロスシートの電車に乗ると、何だかワクワクしてくる。何だか旅行している気分になってくるのだ。たとえ乗車区間が大阪〜神戸や東京〜横浜といった、日頃暮らしている大都市間でもそういう気分になる。

これはぼくがロングシートの電車の沿線に住んでいるからかもしれない。日頃、買い物や通学で利用するのはいつも決まってロングシートだ。しかも通勤や通学と行った場合は、義務的に乗っているような気がする。ラッシュともなると文字どおり押し込まれている。そんな日々が十数年も続けば、ロングシートにいい印象を持たないのも無理はないと思う。そういった人間がふとクロスシートの電車に乗ると、そういった義務感から開放されてホッとするのではないだろうか? こういった利用者の精神的な面も大きいと思う。

こう考えていくと、通勤電車は動く「ハコ」で特急電車は動く「イス」だ、とぼくは思う。

9/05/1996